入店前に源氏名を決めてきた同期がいた。俺たちが見て、全員「それは変えた方がいい」と思った名前だった。本人は気に入っていたが、読み方が難しくて客が覚えられず、SNSでも被りが多くて検索しにくかった。結局3ヶ月後に変えた。でも一度覚えられた名前を変えるのはロスが大きい。

源氏名には2つの機能がある。身バレ防止と、キャラクターの確立だ。特に後者。名前を聞いただけで「どんなタイプか」が伝わる名前は、口コミで広がりやすい。

EDITOR'S JUDGEMENT
強い名前
キャラと一致している。読み方が一発でわかる。SNSで被りが少ない。客が人に話すとき自然に出てくる。
弱い名前
読み方が複数ある。かっこいいが自分のキャラと合っていない。同名ホストがSNSに多い。
危険な名前
記号・数字が混じっていてアカウント名に使えない。読み方が難しすぎて客が覚えられない。

SECTION 01機能する名前のパターン——現場で見てきた傾向

4年間で周りのホストの名前を見てきた中で、長期的に機能している名前には共通の特徴がある。読み方が一通りしかなく、口に出したときに覚えやすいことだ。

口コミで広がりやすい名前には傾向がある。2〜3音で区切りがはっきりしていて、漢字の場合は読みが一発でわかるもの。「なんて読むの?」と毎回聞かれるような名前は、それだけで会話のノイズになる。客が友人に「○○って子がいてさ」と話すとき、スラッと出てくる名前かどうかが長期的な口コミ力の差になる。

NAME PATTERN / 名前タイプ別の特徴比較
名前のタイプ強み弱み・注意点
漢字1〜2文字(訓読み)
例:蓮、湊、葵
記憶覚えやすい。意味が伝わる 被りやすい。検索で他のホストに埋もれることがある
カタカナ(外来語系)
例:レオ、ルイ、ライト
SNSアカウント名にしやすい。検索されやすい キャラと合わないと浮く。読み方は一通りで強い
漢字(音読み・独自読み)
例:読みが難しいもの
個性覚えてもらえれば印象に残る 危険読み方がわからず客が呼べない。広まらない
アルファベット混じり SNS映えする場合がある 危険口頭で伝えにくい。アカウント名の候補が減る

SECTION 02キャラとのズレが一番のロスになる

名前がかっこよくても、本人のキャラと合っていないと客が「思ってたのと違う」になる。これは接客で埋めにくいズレだ。クール系で知的な印象なのに可愛い名前、オラオラ系なのに柔らかい名前——こういう組み合わせは、名前を聞いた時に作られた期待を初回で裏切ることになる。

逆に、キャラと名前がマッチしている場合は、客が紹介するときに「あの人○○って名前なんだけど、名前通りの人でさ」という言い方になる。これが一番強い口コミだ。

名前とキャラがズレる典型パターンは、「かっこいい名前」を優先して選んだときに起きやすい。クールで硬派なイメージの名前を持ちながら、実際の接客は明るくフレンドリーなタイプ——客が最初に受ける印象と実物が食い違うと、どちらかを「演じる」状態になる。それは長期的に消耗する。名前から受けるイメージと、自分が自然体でいられるキャラが一致しているかどうかを、第三者に確認してもらう理由がここにある。

SNS時代の名前戦略

今のホストはInstagramかTikTokで集客することが前提になっている。名前がアカウントIDになり、客が「あのホスト検索しよ」と思ったとき最初に入力するのが源氏名だ。ここで被りが多いと、検索しても自分に辿り着かない。

決める前に必ずSNS検索を一回かけること。同名のホストアカウントがどれだけいるか確認する。被りが多い名前は、同じ努力をしても集客効果が落ちる。

01
自分のキャラを3つの形容詞で表す 例:クール・ミステリアス・知的 / 明るい・話しやすい・フレンドリー。ここがブレると名前も決まらない。
02
そのイメージに合う名前を10個以上リストアップ 1つに絞るのは後でいい。まず出し切る。
03
SNSで各名前を検索して被りを確認 Instagram・TikTokで同名ホストがどれだけいるか。被りが多い名前は候補から外す。
04
先輩か信頼できる人に3候補を見せて印象を聞く 一人で決めるな。他者が「どんな人を想像するか」を必ず確認する。自分では気づけないズレがある。

SECTION 03変えにくい理由——最初に決める重要性

名前を変えることは可能だ。ただし、一度覚えてくれた客への説明コストと、SNSアカウントを作り直す手間がある。ファンがいればいるほど変えにくくなる。だから最初に時間をかける価値がある。

入店して「とりあえず」で名前を決めて、売れてきた頃に変えたくなった——これは周りに何人かいた。変えるなら早い方がいい。でも最初から慎重に決めれば、そのコストはかからない。

名前の決め方は店によって異なる。本人が候補を持ち込んで店長や先輩に確認してもらうケース、店側がいくつか提案してその中から選ぶケース、どちらもある。いずれにせよ「自分一人で決めて終わり」はほぼない。入店前に候補を2〜3個準備しておくと、その場で焦らずに選べる。店によっては候補を持ってくることを歓迎するし、逆に「うちはこういう系統が多い」という傾向を教えてくれる店もある。確認したい場合は、体入の段階で聞いてみればいい。

CHECK / 源氏名を決める前に確認すること
名前で第一印象が決まる。かっこいいかより、客が人に話すとき自然に出てくるかどうかが大事だと後になって気づいた。 HOSMEDI A / EX-HOST KABUKICHO 4YRS
SEND THIS ON LINE

候補の名前を送ってもらえれば、元ホストの視点で率直に見ます。2〜3個あれば比較できます。

源氏名を決めたいんですけど、これどう思いますか?
候補が〇〇と〇〇と〇〇で迷っています。キャラは(自分のキャラを一言)な感じです。
LINEで名前の候補を相談する

名前にまつわる話がある人へ

「この名前にして後悔した」「店長にこういう名前を勧められた」「名前を変えたらどうなったか」——そういう経験を匿名で教えてもらえると、後に入ってくる人の参考になります。

編集部に匿名で送る